機械式ウォッチの精度

テンプの振動数

時計の内部のイメージ

テンプの振動数は一般的な5ビート/秒から10ビート/秒までのハイビートのものがあり、ハイビートほど高精度になります。 時間精度は振動数により日差数秒~数十秒のものまであります。 テンプの振動数を上げて高精度化するのは耐久性の点で困難となります。 機械式ウォッチはぜんまいの巻上げ状態や温度差や外部からの衝撃、時計の姿勢、磁気などの影響を受けて精度に誤差を生じる要因を持っています。 そのため機械式ウォッチのカタログに精度が表記されている場合は巻き上げ状態、時計の姿勢、温度などが一定の条件下で測定された精度であり、実際に腕につけて使用すると表記された精度内に収まらない場合があります。

クオーツウォッチの精度

クオーツウォッチの良いところは時間精度が極めて高い点でしょう。 振動の周波数が機械式ウォッチのテンプの約数千倍と高く、高周波の水晶振動子を時間基準としているために一般品のクオーツウォッチの時間精度は月差で20秒程しかありません。 水晶振動子は温度変化に対して多少影響を受けますが、ぜんまいを用いて機械的に振動するテンプに比べると衝撃や姿勢差の影響を受けにくいです。 外的要因に対する品質の信頼性が高いので機械式ウォッチほど時刻のずれを気にすることなく長期間安心して使用できます。 クオーツウォッチは安定したエネルギー源として電池類を使用しているため、時間精度を始めとする諸機能が長期間安定して得られ、電子部品を使用しているため故障率が機械式ウォッチに比べて低いのも特徴です。 今でも水晶振動子の高周波化や各種温度補正による高精度化、電波修正による時刻の自動補正方式の利用など時間精度は更なる向上が図られています。

クオーツクロックの精度

クオーツタイプは腕時計以外にも掛時計、置時計、目覚まし時計などで使われています。 腕に付けて振り回されるウォッチと違い、固定された状況で使用されるクロックでも誤差は生じてしまいます。 特に表示のあるものでなければアナログで平均月差20秒、デジタルで平均月差30秒程の精度でしょう。 また日本には四季による温度変化がありますので、一年中同じ環境で時間精度を一定に保つことはできません。 そのため気温5℃~35℃での使用を前提とした設計になっており、精度もその環境下での数値となっています。